GitHub CopilotのAutoモデル選択とAIクレジット単価を調べた

  • AI
  • 開発環境

GitHub Copilotのモデル選択を普段はAutoにしていました。

ただ、最近の自分の調査・実装系Agentセッションでは、最初にClaude Sonnet 4.6が選ばれ、その後も同じモデルが使われ続ける場面が目立つようになりました。

そこで、Autoのモデル選択の仕組みとAIクレジットの価格差を調べ、GPT-5.3-Codex、GPT-5.6 Terra、Claude Sonnet 5を選んだ場合と比較しました。

本記事は2026年8月3日時点の情報をもとにしています。
VS CodeのGitHub Copilot Chat/Agentを利用し、Thinking Effortは原則としてMediumに固定する前提です。
モデルの価格、Autoの候補モデル、キャンペーン価格は今後変更される可能性があります。

前回記事との関係
前回は、組織全体の実利用データからAutoとモデル固定の消費量を比較し、固定利用では高単価なSonnet系のスパイクが平均を押し上げていたことをまとめました。これは「モデルを固定すると常にAutoより高い」という意味ではありません。今回は、最近の自分の調査・実装系AgentセッションでAutoからSonnet 4.6が選ばれて継続する場面が目立ったため、Auto版Sonnet 4.6とCodex、Terra、Sonnet 5を個別に比較します。
GitHub Copilotのモデル別消費量を組織データから調べた前回記事

はじめに

Claude Sonnet 4.6自体が悪いモデルというわけではありません。
ただ、実際に使っていると次のような疑問が出てきました。

変更内容の割に、AIクレジットの消費が多くないか。

CodexやTerraなどの固定モデルを選んだ場合、Autoで選ばれたSonnet 4.6より単価は下がるのか。

Autoに任せるより、好きなモデルを固定したほうがよいのではないか。

そこで、2026年6月から始まったAIクレジット制を前提に、以下を調べました。

  • CopilotのAutoは何を基準にモデルを選ぶのか
  • なぜ一度Sonnet 4.6が選ばれると、その後も使われ続けるのか
  • Autoで選ばれたSonnet 4.6と、Codex、Terra、Sonnet 5の価格差
  • Autoで選ばれたモデルを、単価比較ではどう読むべきか

先に結論を書くと、Autoはタスク内容だけでなくモデルの可用性やコストも含めて選択するため、Autoで選ばれたモデルが常に最安・最高品質とは限りません。特にAutoでSonnet 4.6が選ばれるケースでは、CodexやTerraなどの固定モデルと比べて単価差を確認しておく価値があります。

2026年6月からCopilotはトークンベースの課金になった

GitHub Copilotは2026年6月1日に、従来のPremium Requestベースから、使用量ベースの課金へ移行しました。

現在は、モデルとのやり取りで消費した次のトークンがAIクレジットへ換算されます。

  • 入力トークン
  • キャッシュされた入力トークン
  • キャッシュ書き込みトークン
  • 出力トークン

1 AIクレジットは0.01米ドル相当です。12

つまり現在は、単純なリクエスト回数ではなく、どのモデルが、どれだけのトークンを処理したかで消費量が変わります。

そのため、最終的なコード変更が1行だけでも、裏側で次のような処理が発生していれば、消費量は大きくなります。

  • 会話履歴の読み込み
  • ソースコードや設計書の読み込み
  • ワークスペース検索
  • ツール定義の読み込み
  • ターミナルコマンドの実行
  • テスト結果の解析
  • 原因調査のための複数回のモデル呼び出し
  • 推論トークンの使用

変更行数が少ないから、AIクレジットの消費も少ないはず。

というわけではありません。

GitHubも、対話コストは使用モデルと処理されたトークン数によって決まると説明しています。2


CopilotのAutoは何を基準にモデルを選ぶのか

GitHub公式によると、現在のAutoは大きく二つの情報を使ってモデルを選択します。

タスクに必要な能力

タスクに必要な能力として、次のような観点が評価されます。

  • 推論の深さ
  • コード生成の複雑さ
  • デバッグの難しさ
  • ツール連携の必要性
  • 複数ファイルを扱う必要性

GitHubが公開しているHyDRAというルーティング方式では、タスクを単純に「簡単」「難しい」の二択に分類するのではなく、複数の能力軸で評価し、要求を満たすモデルを選択します。34

モデルのリアルタイムな状態

Autoはモデルの能力だけでなく、次の状態も考慮します。

  • モデルの可用性
  • 現在の利用率
  • 応答速度
  • エラー率
  • モデルコスト

つまり、Autoで選ばれたモデルは、

このタスクに対して、常に最高品質のモデルである。

という意味ではありません。

より正確には、

現在のタスク内容、モデルの稼働状態、応答速度、コストなどを含めて、今使うモデルとして適切だとルーターが判断した。

という意味です。3

同じ依頼でも、時間帯やモデルの混雑状況によって選択結果が変わる可能性があります。


なぜSonnet 4.6が選ばれ続けるのか

Autoは、会話の各ターンで自由にモデルを選び直しているわけではありません。

GitHubは、Autoのルーティングを主に次のタイミングで行うと説明しています。

  • セッションの最初
  • コンテキスト圧縮後

その間は、基本的に選択済みのモデルを維持します。

これは、モデルを切り替えるとプロンプトキャッシュが途切れ、切り替えによる節約額以上の再処理コストが発生する可能性があるためです。4

例えば、最初に次のような依頼をしたとします。

この障害について、関連する処理を調査し、
原因と修正方針をまとめてください。

複数ファイルの調査やデバッグが必要と判断され、Sonnet 4.6が選ばれたとします。

その後、同じセッションで次のような軽微な依頼をしても、別のモデルへ切り替わるとは限りません。

この変数名も修正してください。

最初に選ばれたSonnet 4.6を継続し、既に作られたキャッシュを再利用したほうが効率的だと判断されるためです。

そのため、体感としては、

Autoがどんな依頼でもSonnet 4.6を選びたがる。

ように見えます。

しかし実際には、

最初の調査タスクでSonnet 4.6が選ばれ、キャッシュ維持のため同じモデルが後続タスクでも使われている。

可能性があります。


Autoが選べるモデルは限定されている

2026年8月3日時点で、Copilot ChatのAuto候補として公式に掲載されているのは次のモデルです。5

  • GPT-5 mini
  • GPT-5.3-Codex
  • GPT-5.4
  • GPT-5.4 mini
  • Claude Haiku 4.5
  • Claude Sonnet 4.6
  • MAI-Code-1-Flash
  • Raptor mini

ここで重要なのは、GPT-5.6 TerraとClaude Sonnet 5はAuto候補に含まれていないことです。

そのため、次のような場合はモデルを手動で選択する必要があります。

  • Terraを普段使いしたい
  • Sonnet 5を使いたい
  • AutoのSonnet 4.6より安いモデルを意図的に使いたい
  • GPT系列へ固定したい

Autoには10%の割引がある

有料CopilotプランでAutoを使用すると、選択されたモデルのコストに10%の割引が適用されます。3

Claude Sonnet 4.6の通常価格は、100万トークン当たり次のとおりです。

トークン種別 通常のSonnet 4.6
入力 $3.00
キャッシュ入力 $0.30
キャッシュ書き込み $3.75
出力 $15.00

Autoで選ばれた場合、単純計算では次の価格になります。

トークン種別 Autoで選ばれたSonnet 4.6
入力 $2.70
キャッシュ入力 $0.270
キャッシュ書き込み $3.375
出力 $13.50

ただし、10%割引があるからといって、必ず手動選択より安くなるわけではありません。

Autoなら割引されるので、常に最安になる。

という理解は誤りです。

元の単価が高ければ、割引後も別モデルより高いままです。


AutoのSonnet 4.6とMedium設定のモデルを比較する

今回は、VS CodeのThinking EffortをすべてMediumにする前提で、次のモデルを比較します。

  • Autoで選ばれたClaude Sonnet 4.6
  • GPT-5.3-Codex固定
  • GPT-5.6 Terra固定
  • Claude Sonnet 5固定

ここでいうMediumは、モデルピッカーに表示されるThinking Effortです。

Thinking Effortを高くすると推論トークンが増えるため、遅延とAIクレジット消費も増えます。ただし、Mediumにそろえても、各モデルが実際に使う推論トークン数やツール呼び出し回数まで同じになるわけではありません。6

以下は、あくまで同じ量のトークンを処理した場合の単価比較です。

100万トークン当たりの価格

モデル 入力 キャッシュ入力 キャッシュ書き込み 出力
Auto → Sonnet 4.6 $2.70 $0.270 $3.375 $13.50
GPT-5.3-Codex固定 $1.75 $0.175 別料金なし $14.00
GPT-5.6 Terra固定 $2.00 $0.200 別料金なし $12.00
Claude Sonnet 5固定 $2.00 $0.200 $2.50 $10.00

価格はGitHub公式の価格表をもとにしています。2

OpenAIモデルでは、Anthropicモデルのような独立したキャッシュ書き込み価格は掲載されていません。

Sonnet 5の価格には注意が必要

Claude Sonnet 5の上記価格は、2026年8月31日までのキャンペーン価格です。2

9月以降も同じ価格が続くとは限らないため、恒久的な価格として比較しないほうがよいでしょう。


GPT-5.3-Codexとの価格差

Auto版Sonnet 4.6とGPT-5.3-Codexを比較すると、次の関係になります。

項目 Codexの差
入力 約35.2%安い
キャッシュ入力 約35.2%安い
キャッシュ書き込み 独立した料金なし
出力 約3.7%高い

出力単価だけを見ると、Codexのほうがわずかに高いです。

しかし、Agentによる開発作業では、次の入力が積み重なります。

  • 会話履歴
  • ソースコード
  • 設計書
  • 検索結果
  • ターミナル出力
  • テスト結果
  • ツール定義

そのため、出力より入力側のトークンが大きくなるセッションでは、Codexのほうが安くなる可能性があります。

また、GitHubはGPT-5.3-Codexを、次のような複雑なエンジニアリング作業に向いたモデルと説明しています。7

  • 機能実装
  • テスト
  • デバッグ
  • リファクタリング
  • コードレビュー

GitHubは2026年3月18日に、Copilot Business/Enterprise向けのBaseモデルおよびLTSモデルとしてGPT-5.3-Codexを指定しています。8

業務で固定して使うことを想定できる、安定したモデルとして扱われていることが分かります。


GPT-5.6 Terraとの価格差

Auto版Sonnet 4.6とGPT-5.6 Terraを比較すると、通常コンテキストでは次の差があります。

項目 Terraの差
入力 約25.9%安い
キャッシュ入力 約25.9%安い
キャッシュ書き込み 独立した料金なし
出力 約11.1%安い

同じトークン数なら、通常コンテキストのTerraは、Auto版Sonnet 4.6よりすべての課金項目で有利です。

GitHubはTerraを、日常的な対話型コーディングとAgentコーディングのバランス型として位置付けています。7

ただし、Terraは入力が272Kトークンを超えるとLong context価格になります。

コンテキスト 入力 キャッシュ入力 出力
272K以下 $2.00 $0.20 $12.00
272K超 $4.00 $0.40 $18.00

長大なセッションや1Mコンテキストを常用する場合は、価格差が逆転する可能性があります。


Claude Sonnet 5との価格差

キャンペーン価格中のSonnet 5は、Auto版Sonnet 4.6より全項目が約25.9%安くなっています。

項目 Sonnet 5の差
入力 約25.9%安い
キャッシュ入力 約25.9%安い
キャッシュ書き込み 約25.9%安い
出力 約25.9%安い

同じClaude系列を使いたいなら、現在のキャンペーン価格ではSonnet 5のほうが単価上は有利です。

ただし、Anthropicモデルにはキャッシュ書き込み価格があります。新しいセッションを頻繁に作る使い方では、キャッシュ構築分の料金も考慮する必要があります。


同じトークン数だった場合の試算

次のようなAgentセッションを仮定します。

  • 通常入力:10,000トークン
  • キャッシュ入力:100,000トークン
  • 出力:5,000トークン
  • Anthropicモデルのキャッシュ書き込み:10,000トークン

この条件で計算すると、次のようになります。

モデル 推定消費AIクレジット
Auto → Sonnet 4.6 約15.53
GPT-5.3-Codex固定 約10.50
GPT-5.6 Terra固定 約10.00
Claude Sonnet 5固定 約11.50

Auto版Sonnet 4.6と比較すると、概算では次の削減になります。

  • GPT-5.3-Codex:約32%
  • GPT-5.6 Terra:約36%
  • Claude Sonnet 5:約26%

ただし、この計算は各モデルがまったく同じトークン数を使った場合の比較です。

実際にはモデルごとに、次の値が異なります。

  • 推論トークン数
  • ツール呼び出し回数
  • 検索範囲
  • 再試行回数
  • 回答の長さ
  • テスト失敗後の修正回数
  • 一度で正しい実装に到達できる確率

したがって、本当に見るべきなのは1トークン当たりの価格だけではありません。

タスク完了までに何クレジット使ったか。

何ターンかかったか。

どれだけ手戻りが発生したか。

まで含めて比較する必要があります。


Autoで選ばれたモデルをどう読むか

AutoでSonnet 4.6が選ばれたとしても、それは次の意味ではありません。

GPT系モデルより高品質だと確定した。

GitHub自身も、すべてのタスクで常に一つのモデルが最高性能になるわけではないと説明しています。4

Autoはタスク内容だけでなく、可用性、応答速度、混雑状況、エラー率、コストを含めてモデルを選びます。

そのため、Autoの選択結果は、

その時点の条件を踏まえて、ルーターが適切だと判断したモデル。

と読むほうが自然です。

これは、モデル固定の判断を否定するものでも、Autoを常に避けるべきという意味でもありません。

前回記事の「組織全体ではAutoのほうが消費量を安定させやすい」という話とも矛盾しません。

  • 組織全体の標準設定として、利用者ごとの高単価モデル固定を避けたい場合はAutoが扱いやすい
  • 特定タスクの単価を比較する場合は、Autoで実際に選ばれたモデルを見る必要がある
  • Sonnetなど高単価モデルを、作業内容に関係なく固定し続けると消費量が増えやすい

重要なのは、Autoという設定名だけで安い・高いを判断せず、Autoの中でどのモデルが選ばれたかと、処理されたトークン量を見ることです。


まとめ

今回調べて分かったことは、次のとおりです。

  • Autoはタスク内容だけでなく、モデルの可用性、速度、エラー率、コストも考慮する
  • Autoで選ばれたモデルが、そのタスクで絶対に最高品質とは限らない
  • Autoは主にセッション開始時とコンテキスト圧縮後にモデルを選ぶ
  • 最初にSonnet 4.6が選ばれると、キャッシュ維持のため後続処理でも継続されやすい
  • Autoには10%割引があるが、割引後のSonnet 4.6がCodexやTerraより安いとは限らない
  • GPT-5.3-CodexはAuto版Sonnet 4.6より入力・キャッシュ入力が約35%安い
  • GPT-5.6 Terraは通常コンテキストなら、Auto版Sonnet 4.6より入力・出力とも安い
  • Sonnet 5も現在は安いが、2026年8月31日までのキャンペーン価格である
  • モデルの評価では単価だけでなく、完了までのクレジット、ターン数、手戻りも見る必要がある

Autoを使う場合も、モデルを固定する場合も、最終的には「選ばれたモデル」と「処理されたトークン量」の組み合わせでAIクレジット消費が決まります。

そのため、Autoとモデル固定を比較するときは、Auto全体をひとまとめにするのではなく、Autoで実際に選ばれたモデルごとに単価を見る必要があります。


参考資料

Footnotes

  1. GitHub Copilot billing

  2. Models and pricing for GitHub Copilot 2 3 4

  3. About Copilot auto model selection 2 3

  4. Getting more from each token: How Copilot improves context handling and model routing 2 3

  5. Supported AI models in GitHub Copilot

  6. AI language models in VS Code

  7. AI model comparison 2

  8. Base and long-term support models